個人事業主からの法人化計画

法人化するにあたっての資本金の金額はどう決める?

個人事業主か、法人か?

資本金はいくらにするか

資本金はいくらにするか

資本金1円会社の信用度

株式会社が法改正によって、資本金1000万円どころか1円でも設立できるようになりました。その他にも発起人が7名以上ではなく1名以上でよくなり、また役員も最低限取締役1名以上でよくなるなどといった変更により、株式会社を設立するハードルが低くなったのは事実です。しかし資本金が1円であっても1000万円であっても、株式会社であるというだけで両者に同じだけの対外的な信用度があるのか、といえば世の中そう甘くはありません。そもそも従前の株式会社がそれなりの信用を保っていたのは最低資本金制度によって必ず最低1000万円の資本金を保有していなければ、設立できなかったからなのです。取引先の企業から見れば、資本金1円の会社に商品を納品して債権者になれば、それを無事回収できるのかどうかを猜疑の目で見るでしょう。

判断基準としての資本金

会社の債権者が当てにできるものといえば、会社の保有資産であり資本金が含まれます。つまり会社の資本金とは債権者としての外部の者が、その会社を信用してよいのかどうかを計る重要な指標の一つになっているのです。また1円の資本金で会社を設立しても、実際の事業運営にはそれ相応の金銭が必要になります。個人事業主と変わりのない意識で個人の財布と会社の財布がごちゃ混ぜになってどんぶり勘定をしているようでは、税務申告もままなりません。仮に個人の資金を事業用に流用するようなことであれば、これは会社に対する貸付金になってしまいます。そのため事業の運営に必要な資金を明確に事業用として区別するためにも、資本金としてある程度の金額を出資しておく方がその後の事業運営をしやすくなるのです。もっとも資本金が1000万円を超えてしまうと、税金の負担が重くなる点には注意しましょう。

株主の責任

また、株主の責任は自ら出資した金額を上限とする間接有限責任です。そのため、経営者とはいえ出資金1円によって設立した会社に対する株主としての責任は、建前上最大1円ということになりますが、これでは子供のお店屋さんごっこと何ら変わらないでしょう。そして、株式会社の資本金は株式の発行によって増資することになりますが、この株式発行によって株主総会という会社の最高意思決定機関の構成員に変化が生じます。経営者が新たに自分が全額出資して資本金を1円から100万円にするというのであれば、株主は相変わらず自分一人であるため、会社に関する決定は自分の意思で決められます。しかしここで経営者以外の者が株主となって増資するのであれば、完全に会社の意思決定権を握られてしまうのです。このように外部に出資者を募るという場合には、勢力図が塗りかえられて会社を乗っ取られる危険もあるため注意が必要なのです。

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